◆2兆円企業の子会社、自動車部品の製造販売企業で間接部門の生産性向上策を実施
・自動車部品業界の平均的な営業利益率は5%前後だと言われていますが、その企業はさらに高い利益率を親会社から求められていました。自動車部品業界では、顧客である自動車メーカーから毎年値下げ要求の強いプレッシャーがあり、もし高い利益率を上げているとなると更に厳しいコストダウンを求められることになり、利益率は上げなければいけないが、利益率を上げるとコストダウンの要求が増す、というジレンマがあります。
・しかしながら、原価改善を行わなければコストダウン要求に耐えられないばかりか、親会社からの要求にも応えられない状況に追い込まれてしまいます。ある意味でこれが自動車部品業界の宿命というような一面があり、常に改善を行わなければ先へ進めないという自転車操業的な性格の業界です。
・原価改善は通常は部品の購入単価を下げる取り組みや製造現場での生産性を高める取り組みが主なもので、継続的に生産することで生産性と原価が改善し、そこで生まれた利益を顧客である自動車メーカーからのコストダウン要求に充当しています。
・そのような状況でしたので、様々な原価低減活動を進めている企業様でしたが、更なる利益率の向上のために製品原価の低減だけでなく間接部門の生産性改善、つまり間接費の削減活を展開することにし、久保丈夫コンサルティング事務所へ依頼が来ました。
・間接部門の改善は、人員削減を行うという大ナタを振るうことが一番の効果を生みます。それは人件費の削減だけでなく、残った人にも大きな衝撃を与え仕事の仕方が変わる切っ掛けになるからです。しかし、この企業様は人員削減無しに生産性を上げることを目指していました。
・まず行なったのは、全社を挙げての間接費低減プロジェクトの立上げです。様々な活動の計画を立てましたが、最初に目を付けたのは会議が多いという社員さんの言葉でした。そこで、会議半減プロジェクトを行うことにしました。これは、改善活動の基本の一つである「アーリーサクセス」を達成するためです。「アーリーサクセス」とは、改善を行うときに大きな課題にいきなり取り組むのではなく、小さな課題に取り組み改善できたという達成感や改善できるという自信と改善活動に対する興味を持ってもらい、その後の改善活動をスムースに進めるためのテクニックです。
・会議半減プロジェクトでは、まず現状の会議をリストアップしてもらいました。そして、会議時間×参加人員×会議の回数/月×時間当たりのコストで会議コストを算出すると、ものすごいコストが掛かっているのが分かりました。それを間接部門の方々と共有し、その企業の社長様と相談して、3か月でその会議コスト半減すると決めました。
・結果は社員の皆さんのご協力により見事に3か月目に目標を達成しました。この改善活動により、間接部門の生産性改善に対する関心が高まり、その後は全社員から改善案を出してもらう活動や、有志による改善案件発掘チームの結成、さらに管理職向けの教育と実践活動など大きな広がりとなり、その成果も含めて月次の営業利益率は二桁を維持できる体制となりました。