新幹線の駅からバスで30分ほどのところにある古く小さな港町ですが、歴史の舞台になったこともありますし、祖父は昭和50年に84歳で亡くなったということですので、生まれは明治24年と言うことになります。今からは想像しにくい時代ですが、どのような暮らしをしていたのかを想像しつつ、昔ながらの街並みが残こる狭い道を歩けば、着物を着て映っている写真の祖父の姿が、軒の低い町屋の戸口に見えるようでした。
お寺さんは港町の背後に迫る山の中腹にあり、平安時代から続く古刹です。大きなお寺ではありませんが、長い石畳の参道は山門に着くまでには息切れし、途中でひと息入れなければたどりつけません。本堂、鐘楼、納骨堂などが狭い敷地の中にあり、ふと振り返れば眼下に港と古い町並みが一望に出来ます。
法要は祖父の子供たちは皆他界しているので孫たちが営むことになりますが、いとこ同士の久しぶりの集まりとなりました。本堂でご住職にお経をあげてもらったあと、ご住職からお話をお聞きしましたが、お経をあげる方としても50回忌というご縁に立ち会えるのを嬉しく思うとお話しされていました。古い伝統のあるお寺さんですので、中には200回忌を営む方もおられるとか。それだけその家が続いているということであり、その家を代々の子孫が守ってきたことと、古い町並みが残っていることを思えば、この町の歴史の重さを改めて感じます。
お墓は本堂の並びにあり、狭い山の斜面にたくさん墓石が並んでいますが、長い時を経て表面が少し削られたようなものが多くあります。祖父の墓はその一番奥にあり、その一角が石で囲われた中に大きな台座の上に墓石が経っており、祖父が家がかなり裕福であったことが偲ばれます。
お参りしたあと、振り返れば港と街並みが一望出来、漁船の船主だったと聞く祖父はこの美しい港の風景を見ながら眠っているのでした。

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